植物の育成用土として利用されるベラボン(ヤシチップ)。
あまり使っている人が多いイメージはなかったのですが、調べていると多肉栽培に非常に有効な用土だということがわかりました。
最近はハオルチアやコーデックス(塊根植物)によく使われるということですが、そもそもどういった特徴があるのでしょうか。
今回は、ベラボン(ヤシチップ)にスポットを当てていきたいと思います。
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目次
ベラボン(ヤシチップ)とは?特徴や使い方
まずはベラボンの基本的な特徴や性質を学んでいきましょう!
"ヤシチップ"とか"ヤシの実チップ"などと呼ばれますが・・・
ベラボンの成分
ベラボンは、簡単にいうとヤシの実の成分を加工したものです。
イメージはしやすいかと思いますが、ヤシの実は強い繊維でできており、それを加工することでチップ状にします。
ですので用土と言うとちょっと異なる表現かもしれませんね。
どのような加工を施すかというと、水に浸して「アク抜き」をするのですが、このアク抜きを怠ってしまうとタンニンという成分が植物の根に悪影響を及ぼすんですね。タンニンが残留していると根の生育の邪魔をしてしまうため、丁寧にアク抜きをしたものを植物栽培用に使用します。
パッケージにもアク抜きの記載がしっかりと表記されています。
ベラボンの特徴とメリット
ベラボンは繊維質のものをチップにしていますが、特徴は以下の通り。
ベラボンの特徴
保水性に優れる
排水性に優れる
通気性が確保できる
なかなか痛まず長期利用できる
この特徴を見てどう思いましたか?
そう、多肉植物の栽培に欲しい要素が揃っているんです。
ベラボンは水を与えると水苔のように吸収して膨れ上がります。およそ1.5倍ほどに膨れ上がるのですが、逆に乾燥するとまた元の状態に戻るんです。
そのため鉢内に空洞ができ、通気性を確保してくれるのです。
鉢内に空洞ができるということは根が回りやすく、成長を妨げません。これは赤玉土や鹿沼土などにも言えますね。
また、非常に丈夫な繊維なので長期使用でも劣化しにくいため数年間そのまま利用できます。
5年ほど植え替えもせずに使えますが、その前に植物が成長し植え替えの必要があればもちろん交換してあげたほうがいいでしょう。
植え替えを頻繁に行う必要がない植物なら手間が省けますね。
ベラボンのデメリット
ベラボンのデメリットを挙げるとすれば、軽すぎるということ。
これは軽いというメリットとも言えますが、プラ鉢などの軽い鉢を使っていると風で倒れてしまう恐れがあります。
風通しの良い場所で、プラ鉢を利用する場合は十分気をつけてください。
ある程度自重があるほうが外での栽培には使いやすいかな・・・というのが個人的な感想です。
ベラボンはハオルチア(ハオルシア)におすすめの用土
ベラボンの特徴などから多肉植物の栽培に有効だということがわかりました。
中でも人気の多肉植物、ハオルチア(ハオルシア)の育成に非常に相性がいいとのこと。実際の使用例を紹介していきます。
日本ハオルシア協会もベラボンを推奨
日本ハオルシア協会という団体があります。
ハオルシアの育種と普及を目的として 1998年に設立されました。主な活動は機関誌「ハオルシア研究」の発行(年 2-3回)と年4回程度の苗交換会、およびホームページでの会員同士の交流などです。
引用元:日本ハオルシア協会HP
こちらの協会では出版もされており、私も勉強させていただいています。
こちらの本では、推奨する植え替え方法としてベラボンを使った栽培法が紹介されています。
ハオルシア栽培の研究をされている方達の推奨ということで、非常に相性がいいことが伺えます。
オススメのベラボン
日本ハオルシア協会の推奨するベラボンとして、フジック社のベラボン(ヤシの実チップ)が紹介されています。
丁寧にアク抜きされた、高品質で信頼できるベラボンです。
また、グレードの高いベラボンプレミアムという商品もあります。
既存のベラボンよりもより高品質のヤシを使っています。
まとめ|ベラボンは使い勝手の良い用土だった
今まであまり注目していなかったベラボンですが、多肉栽培に非常に使いやすいものだということがわかりました。
今後はハオルチア育成にも力を入れたいと考えていたので、早速使ってみたいと思います。
1年ほど利用すると根がどのように張るのか・・・非常に楽しみですね。
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