アパレル店員として私が入社した初日、先輩にまず最初に言われたのが
「安いボールペンを使うな。良いボールペンを持て。」
でした。当時はなんとなくしか解らなかった言葉の重みも、今では凄く身に沁みる教えです。
これから社会に出る人や、営業職や接客業で働こうと考えている人にはぜひ参考にしてもらいたいですね。
ファッションを提案するアパレル販売員ならばなおさら。今回はそんなボールペンの話をしていきます。
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良いボールペンとは?
「そもそも良いボールペンってなんなのよ?」
と思う方もいるでしょう。
良いボールペンとは筆記用具としてブランディングされたボールペンです。
一口にボールペンと言ってもその歴史は深く、人間にとって文字を書くと言う行為は画期的な発明であり残すべき文化です。今でこそタイピングで文字を作成することは容易いですが、筆記用具は文字を書くための道具として昔から研究・開発・デザインされ、多くの専門ブランドがあります。
文字を書きなれない人や興味のない人にはブランドの存在も認知されておらず、全く持ってどうでもいいかも知れませんが、接客業・販売員・役員・営業マンetcにとって、ビジネスシーンには欠かせない神器です。
値段もピンキリですが、強めに言ってしまうと「コンビニとか100均で買った安モンを使うなよ!」という事です。
良いボールペンを持つ理由
なぜ販売員がボールペンにこだわる必要があるのでしょうか?
「オシャレしてたらなんでもいじゃん!消耗品だし。」
と思うかも知れませんが、持つことで変化することやメリットもあります。
安物だと単純にダサい
販売員や営業職にとって身だしなみは絶対条件。
社会人として身だしなみは基本中の基本です。
特にアパレル販売員はオシャレな洋服をお客様にオススメしてその商品の対価としてお金を頂戴します。そんな、日々のワードローブをオシャレにするお手伝いをする販売員がポケットからササッと取り出したペンが100均のボールペンとか、正直ダサいです。
細かい持ち物までオシャレに気を使うのは販売員の身だしなみの基本。
オシャレを提案するのだから小物もオシャレにしときましょう。
持ち物から変えていくことで常に意識を高く持てるようになります。そうすると自然と細かいところに気配りができるようになります。
いいボールペンだとお客様に失礼がない
お客様にサインをいただくと言うことは、同意してもらい了承を得ると言うことです。
金銭授受・お直しの控え・取り寄せの控え・配送先の確認などあらゆる場面でお客様の同意のもとサインを頂戴しますよね。
そこで目上の方に安物のボールペンを渡すことで失礼と感じられる場合もあります。営業マンなんかは特に。中には
「こんな安物を使わせて・・・」
となる人も少なくない。いいボールペンを使って失礼なことはないため、やはり持っておく必要はあります。
相手に敬意を表すと言う意味も込めて。
小物への気配りは信頼を得やすい
持っているだけで信頼できる人かどうか判断材料にもなります。
店頭でビシッとジャケット着て、磨いた靴と整えた髪で爽やかにスーツの接客をしたとします。そこでいざお直しに入り、採寸を記入しているボールペンが安物だと
「こいつ新人か?大丈夫か(汗)?」
と不安がられるかも知れません。
お客様に安心感を与え、信頼を得るためにボールペンが演出してくれることもあるのです。逆を言えば、新人スタッフでも持ち物までしっかりしていたら玄人感が出ます。
つまり、表現は荒いですがハッタリが効きます。
それほどまでに小物の威力は絶大です。さりげなければさりげないほど・・・
自己投資意識
小物にお金をかけることで自己投資の意識も養われます。
ファストファッションにはない考え方ですが(否定じゃない)、"服屋"はいいものを大事に長く着て(履いて)、自分のモノにするという考えは非常に重要。洋服も靴も自分が"育てる"ことで自分に馴染み、自分だけのスタイルを作り上げることを知っているからです。
服を買うことは自己投資と同義。ファッションのためならず、自己成長のために対価を支払っています。細かい部分にまで気を配る事で日常的にこの自己投資の考えが浸透します。ボールペン1本まで大事に愛着を持って育てていきましょう。
販売員にオススメしたいオシャレなボールペン
では実際にどんなボールペンブランドがあるのでしょうか。私が今まで使ったものを含めていくつかご紹介していきます。
LAMY(ラミー)
LAMYはドイツ生まれの筆記具ブランド。
ボールペン以外にも万年筆などの筆記具をリリースしていますが、サファリシリーズが人気が高いです。カラーもポップで小洒落た感じ。可愛いフォルムで女性にも人気がありますし、最初の一本にオススメ。
書きやすいですし、価格も安価。高価なボールペンにはまだ手が出ない人にもってこいです。
CARAN d'ACHE(カランダッシュ)
スイス生まれの筆記用具メーカーCARAN d'ACHE。
写真はカラフルでキャッチーなデザインですが、シンプルで正統派な、洗練されたデザインもあります。セレクトショップなどでも取り扱いがあり、細身のシルエットがスタイリッシュです。
100年の歴史があるブランドながら、こちらも価格帯は幅が広いのでプレゼントにもオススメです。
RETRO1951(レトロ51)
ラミーも使いましたが、このRETORO51も実際に使ってました。
このボールペンは1990年創立ながら、1950年代の古き良きアメリカンスタイルを取り入れたキャッチーなデザインが魅力。価格帯も程よく、そもそも使っている人が少ない事で「イケてんじゃん!」とか思って使っていましたが、あっさりと一年経たず紛失しました。
あまり他の人とデザインが被りたくない人や、アメ物好きな人にはオススメです。
CROSS(クロス)
crossのボールペンは知っている人も多いはず。
アメリカでも最古の歴史を持つこのブランドは愛用者も多く、知名度は絶大。贈り物やお祝いなどギフト需要も高いボールペンで、書き味も抜群です。
反面、ちょっと人とは被らないデザインやこだわりがある人は避けたくなるブランドかもしれません。個人的には一周回って最近欲しいなと思っているんですが。
PARKER(パーカー)
こちらもcrossと並んで非常に有名なブランド。
PARKERは英国王室御用達の証であるロイヤルワラントを2つとっている信頼おけるブランドです。ロイヤルワラントは3つあり、アパレル定員に馴染みのあるブランドではBarbour(バブアー)が3つとっていますね。なので説明はここではしません。
とにかくこちらも由緒あるブランドで、このパーカーのリフィル(替え芯)は、数多くのブランドで採用しておりいわゆる世界のスタンダード。これ持ってたらまず間違い無いですよ。
SHEAFFER(シェーファー)
SHEAFFERもアメリカ初の筆記具ブランドで、歴代大統領にも熱い支持を受けてきました。大統領が愛用したということは、歴史の変わり目を見てきたと言うこと。ロマンがありますね!
しかし本当に有名なのは万年筆。もちろんボールペンも人気はありますし、実用的なブランドだと思います。
Waterman(ウォーターマン)
フランス生まれのWatermanは今の万年筆の基礎を作り上げた由緒あるブランドです。
毛細血管現象を利用した技術・・・とかその辺は詳しくわかりませんが、エレガントで高級感ある佇まいが上品です。ドレスマンや役職クラスはこれくらいのボールペンは持っておいて欲しいです。
このクラスのボールペンを持っていたらまず間違い無いと思います。
DELTA(デルタ)
DELTAはファッションの国、イタリアのブランド。
何を隠そう、私も今現在使ってますがめちゃくちゃイイです。何がってその存在感と高級感。どこに出しても恥ずかしく無いです。ほとんど。奮発して買いましたが、その洗練されたデザインと程よい重みで、女性にも使いやすいと思います。
世界的には有名なブランドですが、日本ではそこまでバカ売れしているわけでは無いし、個人的にかなり推せるボールペン。
これプレゼントされたらめっちゃ嬉しいやつです。
Monteverde(モンテベルデ)
美しいデザインのMonteverdeもアメリカ発の筆記具ブランド。
立ち上げたのはもともとイタリアの筆記具を扱う会社の人らしく、なるほど頷けるデザイン性。こちらも女性が持ちやすいサイズ感のモデル展開もあり、洒落者にはもってこいのブランドかなと思います。
伝統のある筆記具メーカーが多い中、若めのブランドではありますが人気も高い一流ブランドです。
MONTBLANC(モンブラン)
もっと色々紹介したいですが、このMONTBLANCでラストにします。
知っている人なら憧れるモンブランはドイツ創業の筆記具メーカーの最高峰。
誰しも憧れる頂点です。
もういちいち説明しませんが、何かのタイミングで(昇進やお祝い事)記念に手にしたい一品です。送ってくれるパートナーがいないなら自分で買いましょう(泣)。
でもなんとなくで買いたく無いんですよね。ふさわしい自分になれた時のために・・・ってことで置いときます。
いつかは手にしたいボールペンです。
【まとめ】奥が深い筆記具の世界
たくさんのボールペンを見てきましたが、まだまだ紹介できてない有名ブランドもあります。
「あのブランド紹介しないのかよ!」
って声も聞こえてきそうですが、それほどまでに奥が深いのがボールペン。「安いボールペンを使うな!」と言う意味が少しでもわかっていただけたら幸いです。最後に1つだけ偉そうに言わせてください。
「販売員は間違ってもキャラものなんか絶対持つなよ!だせえから!」