【ジャケット・コートの袖タグ】着用時は取るのが正解・理由も詳しく解説

コートの袖タグ

 

冬になるとコートの袖にタグが付いてるのを見かける事があります。デザインなのかわからない、つけておくべきか外すべきか迷ってしまうという方も少なくありません。私自身、アパレル業界に長く在籍していますが、タグをつけたままの方が年々増えているように感じます。

結論から言うとタグは取るのが正解です。デザインじゃなくてちゃんと意味があって付いているんです。今回はジャケットやコートの袖についているタグについて

袖のタグの意味

タグを外して着る理由

外すべきタグの見分け方

について、理由も含め詳しく解説していきます。

 

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ジャケット・コートの袖口に付いているタグの意味

 

袖にタグがある理由

 

そもそもなぜデザインじゃ無いのにタグが目立つ袖口に付いているのかって話ですよね。紛らわしい位置にあるので、知らないとデザインと勘違いしてしまいます。

 

袖のタグは使っている生地を表記

 

袖口のタグはその服に使っている生地を表記しています。

「この服には○○社のこんな生地を使っています」

という意味があります。洋服にとって、パターン(型紙)を骨とするなら生地は"肉"のようなもの。洋服を作る上で生地はそれほどに重要で、世界中に歴史のある生地メーカーが存在しています。

例えば男性ならスーツの生地でLoroPiana(ロロピアーナ)とかErmenegildo Zegna(ゼニア)とか、聞いたことある方もいらっしゃると思います。女性ならストールやプリント物でjohnstons(ジョンストンズ)とかLiberty(リバティ)なんて聞いたことありませんか?袖にタグをつけ「こんな生地使ってますよ」という事を表示する事で、品質の高さだけでなく安心・信頼を与える効果があります。
有名で上質な生地であればそれだけでそのアイテムのウリになるでしょう。

 

生地の良し悪しとは何か

 

じゃあなんでわざわざ生地を表示する事で安心や信頼を得るどころかアピールポイントになるの?って思う方の為に、ちょっと例え話をしてみましょうか。

デザイナーを料理人に例えると、生地は素材そのもの。いくら腕のいい料理人でも、スーパーの特売の肉と高級和牛じゃ流石に仕上がった寮にの味にも差が出ます。同様に服の素材そのものが粗末なものだと何年も着れるいい服は作れません。いい生地を使っているものはその分高くなります。

生地だけじゃなく、著名なデザイナーの作品ならデザイン料、使ってる工場が良ければ縫製などの作りに対する価値や品質が上がるので、同じように値段は高くなります。

 

外すべきタグの見分け方

 

外せるタグ

 

ジャケットやコートのタグは外して着るという事がわかりましたが、他にはどんな洋服やアイテムのタグを外す事ができるのでしょうか。

外すべきタグを見分けるには、タグの四隅に注目してください。
これはジョンストンズのストールですが、四隅が軽く縫われているのがわかります。ガッチリと縫い込まれていないタグは外しても跡が残らないように仮縫いのみになっています。

他にこのような縫い方のタグが使われているものの例を挙げておきます。

仮縫いタグが付いているもの

  • ジャケット・コート
  • マフラー・ストール
  • ハンカチ・スカーフ
  • 手袋
  • リバーシブルの服

こういったものは仮縫いで止めてあるものが多いので、外して着用してもらって構いません。

 

洋服のことを知らない人が増えてきている

 

 

袖のタグを取るという事実を知らな人が増えてきています。
それだけものすごい速さで世の中は変わっているという事なのでしょうが、タグをつけている人は若年層や女性に多く見受けられます。

何が変化してこうなっているんでしょうか。

 

女性はアウター以外に馴染みが少ない

 

レディスの服にもコートやジャケットにはタグが付いていることはあるのですが、とっていない人が多いです。その理由は女性の方がスーツに触れる機会が少ないから。

スーツには大抵、袖に生地のタグが付いています。スーツを買ったことのある人は「このタグは外すもの」だという事を知っています。

しかし女性はオフィスカジュアルの影響もあり、スーツに触れる機会が減っています。コートやジャケット以外に付いていることがほとんど無く、もしスーツが必要なければ生地表記のタグに触れる機会が少ないです。そういった理由で「このタグはデザインだ」と勘違いしてしまうのです。

反対に、男性でもスーツを持っていない(仕事柄)人は同じようにデザインだと思っている人も多いのが現状です。

 

ファストファッションの増加

 

若年層や女性に知識がないことの理由に、ファストファッションが増えたということが挙げられます。

ファストファッションの概念は「安くてオシャレなもの」ということが根底にあります。低価格で商品を提供する為には生地なんかにお金をかけてられません。
原価が安い、そういった生地は謳い文句になりませんしウリになるような生地を使用していません。
そうなれば袖にタグが付いているところなんて見かけるはずがないですよね。知らなくて当然だと思います。

 

ネットショッピングの一般化

 

ゾゾタウンをはじめとする、いわゆるECサイトが充実したことでお店に足を運ぶ必要も無くなりました。
店に直接行かないと、服の着方や必要な知識を与えてくれる人がいないのです。

ネットで販売されているページに「タグは外して着てください」と記載がなければ、何が正解かわかりません。ほとんどのサイトが記載していませんし、販売する側は外して着るのが当たり前ぐらいに思っているのでしょう。消費者との温度差が感じられます。

 

タグだけじゃなく「しつけ糸」を取っていない方も

 

ジャケットやコートなどは、本縫いの前に「しつけ糸」という仮縫いの糸を通しています。
このしつけ糸を外していない方も目立つようになってきました。

ジャケットのポケットやパンツのバックポケットにしつけ糸が付いておりポケットが使えない、ベントにしつけ糸がついたまま。そんな方が増えてきます。今一度購入した服を着用前に確認するようにしていただきたいですね。

 

まとめ|販売員が教えましょう

 

袖についているタグはちゃんと意味があります。それを知らない人が増えていますが、販売員として思うことは

販売の際に教えていないのがそもそも悪い。

アパレル販売員の仕事はそれを伝えることも大事な仕事です。接客中や、お会計の際に一言付け加えたり、タグをとってあげれば何も迷うことはないのですが・・・
もし身近につけたままの人がいたらプライドを傷付けないようにそっと教えてあげてくださいね。

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