長年愛され続けるフランスメイドのシューズブランドParaboot(パラブーツ)。
カジュアルシーンからジャケパン・ドレススタイルと幅広く活躍してくれる人気ブランドで、特徴的なデザインや緑のタグを街でもよく見かけます。すでに語り尽くされた感じもありますが、今回は改めて
- ブランド概要・特徴
- 人気の秘密・特徴や機能性
- 最新人気モデル
をまとめて紹介していきます。
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目次
Paraboot(パラブーツ)とは・ブランド概要・歴史
1908年創業、100年以上の歴史を持つブランドで、そのルーツはアルピニストのための登山靴を作ることからスタートしました。パラブーツは現在もメイド・イン・フランスにこだわり続けており、シューズブランドでは他にない、ソールまで一貫して自社生産しているブランドです。
多くの方は靴は全て(服もだけど)ブランドが工場で作っていると思っていますよね?私もアパレル業界に入るまではそう思っていました。
でも実際はソールは別の会社の物を使っていたり、デザインだけ行い生産は海外の工場で行なっていたりと分業のような形で行われています。全て自社生産で行なっているブランドは今では珍しくなりつつあるんですよ。
「Invest in your walk=価値のある歩き」
これはパラブーツの企業理念ですが、単純に歩くことだけでなく「人生の歩み」も意味しています。フランスでは大人になったらパラブーツを履けと言われるそう。それだけフランス人にとって生活の一部にあるシューズなんですね。
Paraboot(パラブーツ)の特徴や人気の秘密
パラブーツは1度足を通し履き込んでいくと、その履き心地の良さからリピーターも多いブランド。改めてその人気の秘密や特徴を探っていきましょう。
堅牢なパラブーツ自社生産のソール
1927年にブラジルのパラ港から上質な天然ラテックスを輸入したことで、パラブーツの最大の特徴とも言える自社生産ソールが生まれます。
この厚みのあるソールが抜群のクッション性と履き心地を可能にしています。多くのモデルでこのゴム素材を使用していますが
パラブーツのソールの特徴
- 空気を含むクッション性
- 滑りにくいグリップ性
- 堅牢なノルウェイジャン製法
- 雨や雪からの浸水を防ぐ!高い防水性
非常に手の込んだソールで、かつ一括した自社生産のためハイクオリティですが高価になります。手で持ってみると重たく感じますが、実は軽いシューズよりも疲れにくく履いていると気になりません。一度足を通して街を歩くとこの快適さがお分りいただけるかと。
パラブーツに使用されているのは雨も気にならない上質なリスレザー
ノルウェイジャン製法による防水性やグリップ力だけでは雨に強いとは言えませんよね。なぜならアッパーのレザーが繊細であれば水濡れに弱くなってしまいます。
しかしパラブーツの多くのモデルで採用されているオリジナルレザーはオイルをしっかりと浸透させたリスレザーという素材で、非常に高い撥水性を備えています。もともと登山靴から始まったパラブーツならではのレザーですね。
リスレザーの特徴
- たっぷりと染み込ませたオイルによる撥水性
- 上品な鈍い光沢
- ベースはカーフ(子牛のレザー)
ポイント!
パラブーツのリスレザーは白くカビのように粉が吹いたような状態になることが。新品の状態でもよくみかけますが、これはブルームといってオイルやロウの成分が表面に出てきたもの。安心してくださいね!
乾いた布・ウェスなどで拭き取ってあげればなんの問題もありませんよ。むしろこのブルームはたっぷりとオイルが染み込んだ上質なレザーの証明。
余談ですがブライドルレザーなどでも同じようにブルームが吹き出ます。
パラブーツはエルメスやジョンロブのOEMも手がけている
各モデルについてはのちほど説明しますが、エルメスやジョンロブのOEMも手がけています。
簡単に説明すると「パラブーツさんのモノづくり最高!こんなモデル作ってよ!」みたいな感じ。ざっくりすぎますかね(笑)
パラブーツのウィリアムというダブルモンクのシューズがありますが、あれはジョンロブのコテージラインの復刻のような感じ。もともとはパラブーツがジョンロブに提供していてめちゃくちゃ評判が良かったものだからパラブーツからもリリースされたと。そんな感じ。
残念ながら今では生産終了していますので在庫が残っている分だけ。
また、パラブーツの名作といえばミカエルというチロリアンシューズ。これも実はエルメスのラブコールから産まれたとされていますね。代表的なミカエルのフォック(アザラシの毛)はワシントン条約で毛皮を取ることができなくなったため数年前に廃盤になったので残念ながら新品はもう手に入りません。
私の友人の女の子はフォック最後の年に青山の本店まで飛行機に乗って買いに行ったそうです(笑) おれも買っときゃ良かった・・・
Paraboot(パラブーツ)のサイズ感
パラブーツはサイズ感が大きめ。
表記よりもハーフ〜ワンサイズ小さめを選ぶといいでしょう。インソールの沈みやアッパーの伸びを考慮しても通常サイズで選ぶと絶対に失敗します。かかとが抜ける・・・
私が選ぶサイズ感を他の靴と照らし合わせると
サイズ選び・参考
- ニューバランス・・・8 1/2
- オールデン・・・7 (ラストにもよるけど)
- パラブーツ・・・6 1/2
という具合です。パラブーツの代名詞的なモデル・シャンボードでいえば足の甲も高めなので"幅広甲高"の典型的な日本人足には非常に履きやすいのも特徴。
イタリアシューズのようにワイズが細すぎたりノーズが長いということがないです。
Paraboot(パラブーツ)人気モデル
パラブーツの人気モデルを一挙公開。ぜひお気に入りの一足を見つけてください!
CHAMBORD(シャンボード)・Uチップ
言わずと知れた、ミカエルと並ぶパラブーツの代名詞的モデル。Uチップでボリュームのあるデザインと、リスレザー&ノルウェイジャン製法による堅牢な作りで全天候型のレザーシューズと言えますね。
所有者が多いから被るのを避けたいという方もいらっしゃいますが、私から言わせればそんな事言ったら世に溢れる名作シューズ・スニーカーなんか全て被ります。それよりも着こなし・合わせでいくらでも個性を出せますよ、と言いたい。それぐらいコーディネートを選ばず履ける不屈の名作です。
一言メモ
シャンボードをスーツスタイルで合わせるのはアリかナシかとよく言われますが、個人的にはナシです。せいぜいジャケパン、どうしてもスーツに合わせるならシャンボードでなく後述するアヴィニョンかなと。
MICHAEL(ミカエル)・チロリアンシューズ
シャンボードに並ぶパラブーツの傑作。エルメスのラブコールを受け特注されたことに始まったこのモデルです。ぽってりとしたフォルムが特徴的で、オイルをたっぷり染み込ませたリスレザーがどんな雨や雪からも守ってくれます。
女性にも人気のモデルで、毛付きのモデルも数多く存在し(後ほど紹介)、ファッション性は非常に高いです。様々なブランドから別注も受けているミカエルはぜひ手にしてほしいモデル。
MICHAEL(ミカエル)・ポニー
ミカエルにポニー(馬)の毛を施したのがこちら。短くコシのある毛がアクセントになり通常のミカエルとは違った表情を見せてくれます。
毛足が長いため冬場のイメージが強いですが、個人的には真夏以外の3シーズンはガシガシ履き倒してもらいたいな〜と。男性らしいイメージが強いですね。
MICHAEL(ミカエル)・ラパン(ラビット)・レディース
ポニーと違い、フワッとした柔らかくきめ細やかな毛が女性らしいラパン。細身のパンツにポテッと合わせてもよし、スカートにガーリーな合わせもよし、めちゃくちゃ可愛いモテシューズ。
どうしても履いてもらいたくて妻にプレゼントしましたが、手入れは私がしています。そうなることは初めから分かっていましたが・・・自分でしてほしい(泣)
REIMS(ランス)・ローファー
レイムズと書いてランスと読みます。よく後述するアドニスと同じローファーとして比較されますが、ランスのぽってりとしたフォルムはカジュアルシーンで抜群のアクセント!めちゃくちゃかっこいいです。
スニーカー感覚で履けるローファーで履き心地もよし。冬場はソックスとあわせて足元に個性を演出できます。
一言メモ
ミカエルのように毛がついたモデルもあります。カジュアルシーンメインならランス、オンスタイルならアドニスといった感じ。
ADONIS(アドニス)・ローファー
ランスと比較し、すっきりと都会的な印象になったアドニス。この形ならばオンスタイルにも応用できますし、カジュアルなシーンであれば足元がぐっと引き締まって洗練された印象に。大人顔のローファーは一足持っておくとめちゃくちゃ便利。
近年のビジネスシーンではローファーは好まれる傾向にあるので、外歩きが多い方にはぜひ試していただきたい履き心地。
AVIGNON(アヴィニョン)・Uチップ
シャンボードに似たUチップですが、よりシャープな印象を与えるのがアヴィニョン。トゥの形やサイドのステッチが効いています。
フランス本国ではUチップといえばシャンボードではなくこのアヴィニョンを指すようですね。シャンボードをスーツに合わせるのは個人的にはナシですが、このアヴィニョンはアリかなと。カジュアルスタイルより、キレイ目なジャケットスタイルを好む方にはこちらのモデルをオススメしたいですね。
BARTH(バース)・デッキシューズ
フランス海軍でも使用されるパラブーツのデッキシューズ。軍モノですがおしゃれなシューズですね(笑)
デッキシューズはその名の通り、船の甲板で履けるシューズで水濡れに強く滑りにくいグリップを備えているため、可愛いデザインだけではなく機能性にも優れています。夏の足元を爽やかに演出してください。
CORAUX(コロー)・ローファー
デッキシューズであるバースをベースにしたローファーがこちら。バース同様のソールを採用していながら、コインローファーとしてキレイなシルエットになったことからコーディネートの幅がぐっと広がりますね。
クールビズなどのオンスタイルでも活躍してくれるのではないでしょうか?雨にも強いですし価格帯も安い、キャッチーなローファーです。
WILLIAM(ウィリアム)・ダブルモンク
実は生産中止になったため、現存する在庫でしか手に入れる術はありません。
このダブルモンクはもともとジョンロブがOEMをかけたもの。今ではなくなったコテージラインというカジュアルラインで販売されており、めちゃくちゃ人気がありました。かなり端折りますが、そのウィリアムをパラブーツが販売したのがこれ!
ダブルモンクとはいえカジュアルな見た目で、オフスタイルにもハマります。こちらもパラブーツが誇る名作で、残っている在庫でサイズが合えばラッキーです。見かけたらぜひ!
AVORIAZ(アヴォリアーズ)・トレッキングシューズ
パラブーツとガリビエールはRichard Pontvert(リシャール・ポンヴェール)社が立ち上げたブランド。このアヴォリアーズは登山靴に特化したシューズを作り続け、絶大な信頼を誇るガリビエールで生産されていたシューズです。
廃盤となっていた同モデルを復刻させる際に、世界に名の通っていたパラブーツで販売。当時の木型や素材など忠実に再現されている往年のファンにはたまらないと言われるのがこれ。
タウンユースに特化したパラブーツの他のモデルとは一線を画したデザインです。
まとめ|一度は履いてもらいたいシューズブランド
パラブーツが絶大な支持を受けるのにはそれなりの理由があります。
知れば知るほど魅力だらけ、数々の名作を世に送り出してきたパラブーツ。ぜひ一度は足を通してもらいたいシューズブランド。街から姿を消すことはないでしょう。
普段革靴をほとんど履かない私ですらパラブーツはかなり履きます。ぜひ一度お試しあれ!