アパレル販売員が今の給料で家族(子供)を養っていけるのか。
結婚を考えるアパレル業界人の9割ほどが行き着く悩みで、アパレルを辞めたいと考えるきっかけになる人も多いでしょう。
包み隠さず結論から言うと、両親や環境に恵まれた環境でない限りいち販売員が1人で養っていくのほぼ不可能です。共働きを選ぶか、ハイブランドや外資系で販売員として年収1000万プレイヤーも目指せる企業、もしくは管理職として昇進可能な企業であることが必要不可欠です。
私は結婚当初、有名セレクトショップの正社員かつ中間管理職でそれなりの給料をもらえる立場でしたが収入面で厳しいと感じました。その根拠を、実際に私や私の同僚・友人・上司の体験をベースに正直にお伝えしていこうと思います。
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目次
一般的なアパレル販売員の年収ベース
まずはアパレル業界の平均年収をみていきましょう。アパレル業界全体の平均という点がポイントです。
平均年収 | 523万 |
平均年齢 | 39.6歳 |
平均勤続年数 | 13.4% |
年齢 | 年収 | 月収 | 賞与(2回分) |
---|---|---|---|
20~24 | ¥3,383,837 | - | - |
25~29 | ¥3,954,788 | ¥247,174 | ¥988,697 |
30~34 | ¥4,571,268 | ¥285,704 | ¥1,142,817 |
35~39 | ¥5,096,689 | ¥318,543 | ¥1,274,172 |
40~44 | ¥5,605,887 | ¥350,367 | ¥1,401,471 |
45~49 | ¥6,163,754 | ¥385,234 | ¥1,540,938 |
50~54 | ¥6,521,711 | ¥407,606 | ¥1,630,427 |
55~59 | ¥6,398,205 | ¥399,887 | ¥1,599,551 |
参考:CLABEL アパレル業界とは?平均年収や勤続年数、年代・役職ごとのボーナス金額まとめ!
一般的にアパレル企業は年収が低いと言われますが、この結果を見るとキャリアアップをしていくごとに十分な給料を得ることができそうです。ただし、これはそれなりの企業に勤めていた場合に限ります。
あくまでも正社員の年収ですし、ボーナスなどによっても大きく差が出ます。年収ランキングには掲載されていないアパレル企業も多くありますし、完全に鵜呑みにしていいか・・・と言われると疑問です。
ポイント
年収が高いアパレル企業も存在するなか、年収が限りなく低いアパレル企業も多い(しかも公開していない)
➡︎企業による収入格差が大きい業界
アパレル業界全体が年収が低いのではなく、年収が低いアパレル企業が多いというのがアパレル業界の実態です。
結婚し子どもを授かりわかったアパレル販売員の無駄な出費
好きで続けていたアパレルの仕事ですが、なんでも自由にできた独り身の時と違い、結婚して家庭を持ち子どもを授かったことで今までの無駄な出費が明確に見えてきました。
洋服を買う余裕がなくなる
ダイレクトに感じたのは買っている洋服の数です。店頭で着るからという理由で毎シーズン、毎月ごとに何万もする好きな服を平気でポンポン買っていたのですが、これができなくなりました。顕著に物が買えなくなったのは妻の産休中で、仮に産休手当が出ていたら生活の苦しさは違ったのかもしれませんが、うちは妻が転職直後ということもあり産休手当が出ませんでした。
妊娠中の検診は病気ではありませんので健康保険が効きません。今まで自由に使えていたお金は必要不可欠な生活費としてガンガンなくなっていきます。とてもじゃありませんが洋服を買う余裕なんかなかったですし、逆にメルカリなどで泣く泣く売るということも少なくなかったです。
額面よりも手取りが少ない
それでも最低限の洋服は必要です。私の当時の年収は400万前半だったのですが(役職手当込みで)、買った洋服のお金は給料から引かれるシステムだったので、手取りは20万を切ることもザラでした。洋服は手元に残りいい格好やおしゃれはできますが、この金額を差し引くと実際の年収は400万を余裕できるどころか350万レベルまで下がってしまいます。
見かけの年収がいくら足りていようが、実際に仕事をする上でかかるお金を考慮すると年収以上にお金がないという現象に直面するわけです。
会社の飲み会や交際費の出費が大きかった
これは企業風土や店舗環境にもよると思いますが、私の場合は会社関係の飲み会は出費がキツかったです。頻繁にあるわけではないにしても、アパrウェルのように店舗が多い企業では、半年スパンで異動や入社に伴う歓送迎会などが行われます。
本部からの巡店や視察も含めれば隔月ごとに飲み会があるというケースも少なくないでしょう。館に入っているショップはさらに付き合いの場が増えることも多いです。会社の経費で交際費として出るのならば別ですが、小売店の店舗レベルだと使える経費が限られているケースが大半ですし、結局は自腹での出費になります。
共働きじゃなければ販売員が家庭を持つことが難しい理由
アパレル販売員がこのままの年収で結婚するとなると、共働きは必須だと思います。
服を買う余裕がなくなるので妻の理解が必要
当然服を買う余裕はなくなるので購入する枚数は減っていくとは思いますが、それでも制服支給がなければ最低限の服は必須ですよね。
仕事をする上で必要なものになるのですが、妻がアパレルと無関係の仕事をしている方の場合、服の購入は相手の理解が必要不可欠です。自分が好きなものを買っているだけだと思われるとお金の使い方でほぼ確実に揉めることになりますので、結婚する相手には理解してもらわないと厳しいです。
私の妻もアパレル販売員でしたが、それでも結婚してから私が仕事で服を買ってくるとかなり嫌味を言われていました。結構ツラいものがありますよ・・・
先輩の妻はアパレルとは無関係ですが、家庭のお金の管理を別々にしているのでなんとかなっているとのことです。
共働きでも産休手当がないと余裕で詰む
子供ができた場合なのですが、当然妻は出産前から産休に入ります。その時に産休手当があるかどうかで、産前から産後の休職期間(長くて2年ほど)の生活水準が大きく変わります。
【出産手当金の支給条件】
- 妊娠のために休業した健康保険の加入者
- 妊娠4カ月(85日)以上で出産する女性(死産・流産や人工中絶も対象)
- 事業主から給料が払われない、または支払われる給料が少ない場合
【標準報酬月額を平均した金額が28万円】
1日当たりの支給金額: 28万円÷30日×2/3=6,220円
出産手当金の総額: 6,220円×98(日)=60万9,560円引用元マイナビニュース: 産休の手当はいくらもらえる? 支給条件や申請方法を解説
月に28万円の給料で計算した場合でこの金額なので、月の家庭収入はガクッと落ちます。手当をもらうためには健康保険の加入期間などの条件があるので、転職直後などは要注意です。
私の妻は転職して一年なる前に妊娠が発覚し、休職期間中に雇用保険の手当を受け取っていたので産休手当の支給対象外でした。
ボーナスがないと余裕で詰む
アパレル販売で家庭を持つにはやはりボーナスは必要不可欠です。産前産後は揃えるものも多いですし、何より急な出費がかさむことが多いんですよね。
月給とは別に、年に2回の賞与というまとまった収入があるだけでこういったイレギュラーへの対応がラクになります。
社員になると基本的にボーナス支給がありますが、契約社員クラスだと賞与はありません。アパレルの仕事を続けるといっても最低限正社員でなければ厳しい現実が待っています・・・
アパレルで給料を上げるには出世か転職しか道はない
アパレル販売員という道を選んだ以上、家庭を守っていくには
- 現職でのポジションを上げる
- 転職して年収を上げる
選択肢はこの2つに絞られてきます。
現職で圧倒的に成果を出して昇給を狙う
第一の選択肢としては、今の仕事で圧倒的に成果を出して昇進することですよね。これはあくまでも今の会社が出世できる環境にあるかどうかも重要になってきます。私の場合は自分でいうのもおこがましいかもしれませんが、それなりに結果を出してきたつもりです。
- 昨年対比120%
- 店舗スタッフ全国一販売成績
- 館内表彰
結果的にそれが認められて、査定が上がり「やったな、おめでとう」と言われながら昇給してもらいましたが、その額なんと月にして5,000円ほどでした。
こんな環境であればキャリアアップは難しいでしょう。また、人事のファイルを見れば昇給テーブルが確認できると思いますので、役職についた時にどれぐらいの給料になるか確認しておくことが大事です。苦労した先にそれなりの給料が保証されるのならば勤め上げる価値はありますが、そうでなければ身の振り方は考えるべきです。
アパレル販売員として年収ベースが高い企業への転職
手っ取り早くアパレル販売員が年収を上げるには、年収のベースが高い企業への転職が最短ルートです。
アパレル販売員のキャリアは転職でおおいに役立ちます。同じアパレルからアパレルの転職でも、入社時の年収や待遇が良化するケースはかなり多いです。
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アパレル販売員の結婚はハードルが高い
アパレル販売員として不自由なく家族を養っていくには、年収アップが必要不可欠です。そのためにも今の会社に勤め続けることは正解か、転職するべきかのジャッジは冷静にするべきです。
結婚して収入面に不安のない生活をするためにも、今の会社で目指せる年収はすぐにチェックしておくことを強くおすすめします。
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