アパレル販売員|約10年働いて感じたメリット・デメリットを紹介します

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アパレル販売メリット・デメリット

アパレル販売というと、「体力的にキツイ」とか「低賃金」などのネガティブイメージが強いのが現状です。そして蔓延的に人手が不足しており人材を求めている企業が多いのも現状。

ここでは、ファッションが好きでたまらないあなた・人と接することが好きで販売のお仕事に興味があるあなたに伝えておきたい、「生きた現場の本音」をお話します。
僕が10年近くセレクトショップでの長い様々な経験からいいとこ悪いとこ、正直に全部話します。

今は高卒採用・中途採用も積極的に行い人材確保に乗り出したこの業界、チャンスにするかどうかはあなた次第!

 

アパレル業界の現状

 

まずは近年のアパレル業界の大まかな流れを見ていきましょう。

 

ファストファッションの時代

 

 

今やファッションは「安くておしゃれなもの」が一般化しています。
個人所得が減ったことで衣食住の「衣」に対してお金をかける人が少なくなっていることも大きな要因の1つで、若者世代に顕著にその傾向が見られます。以前は若者もファッションへお金をかけていたのです。

「お金かかってもイイもの着てオシャレするぜ!」っていう人は少なくなっちゃったんですね。

さらにここ10年で日本の大手企業だけでなく、外資系の大手ファストブランドが進出したことでより安くて最先端のファッションが求められるようになってきました。

従来のいい物を長く大事にではなく、クオリティを下げても新しいものを安く手に入れることが当たり前になっています。ファストファッションはその生産力でコレクションに出てくるトレンドアイテムをいち早く流通させることができるのです。

プラスの捉え方をすると誰もが最先端のファッションを気軽に楽しめる世の中になったということですね。
ファストファッションのメリットとして、しつこく声をかけられたり接客されたくない人には店内を回遊しやすいという理由もあります。

こういったファストブランド・大型店舗は基本的に声をかけて接客することはほとんどありません。接客は必要ない、困った時だけ対応して欲しい人にはぴったりの場です。

若者のお金の使い方に変化

低価格でトレンドアイテムが手に入る

多くの人が気軽にファッションを楽しめるようになった

接客されたくない人には回遊しやすい空間

 

ECサイトの一般化

 

 

EC=Eコマース 

ネットショップが当たり前になってきた事で実店舗へわざわざ足を運ぶ必要性が無くなりつつあります。実店舗では接客を受け、実際に商品を手にとって素材感やサイズ感を見極めお買い物ができます。しかしその反面、接客も必要ないし時間もかけたくないという方にはECはすごく便利。

また、サイズが合わなかったり実際に手元に届いたものがイメージと違い気に入らなかった場合、返品が簡単にできることもメリットです。お店に返品しにいくのが面倒だったり、店員に嫌な顔をされないかなど気にする必要もありません。

逆に実店舗ではECが普及したことで今まで以上に販売員としての、いわば存在意義のようなものが問われるようになってきているのかもしれません。

買い物の時間を削減できる

24時間・ライフスタイルに合わせて注文できる

不必要な接客を避けることができる

返品などのネガティブな対応もスムーズに

 

フリマ・オークションによる個人流通

 

 

もともとヤフオクをはじめとしたオークションサイトは人気も高くユーザーも多い流通の場でしたが、スマホの普及に伴い急速に一般化した「フリマサイト」によって、個人間の売買が広がっています。

これにより古着=ヴィンテージではなく、中古=リユースとしてお店の手を介さず、売り手も買い手もよりお得に取引ができるようになっています。

決済や受け取りも以前に比べどんどんスムーズになっていますし、今後もお買い物の選択肢の1つとしてさらに広まることが予想されます。

今話題の「仮想通貨」が普及すればこういったネットショッピングもさらに簡単で便利になると考えられています。そうなってくると店舗でお買い物をする必要性がさらに減っていくかもしれませんね。

個人売買がよりスムーズに

店舗を介さないことで売り手・買い手どちらもよりお得に

 

アパレル販売員のネガティブイメージの理由

 

こうやって1つ1つ見ていくとなるほど、ネガティブな要素の実態が見えてきました。

アパレル販売員といえば以前は華やかで憧れの職業で、カリスマ販売員などの言葉もあったほどです。
理美容業界含め、おしゃれな服や髪型で自由なスタイルで働く販売員は、お固いスーツを着て満員電車に押し込まれるサラリーマンの眼には対極に映ったのだと思います。

また専門知識をもち、TPOを抑え適切な提案をしてくれる販売員を「信頼」して洋服を選びました。

しかしファストファッションの出現により誰しもが低価格でファッションを楽しめる時代が来た反面、販売員の敷居が下がりサービスの質やイメージを落としてしまったのも事実です。こういった理由が

販売員は誰でもできる

ずっと立ち仕事できついだけ

賃金が上がらない

という悪いイメージに直結しているのだと考えられます。

 

アパレル販売員として働くメリット

 

アパレル業界の現状を踏まえて、販売員として働くことの魅力やメリットは何でしょうか?深く追求していこうと思います。

 

TPOをわきまえたファッションを学べる

 

 

上記の通り「誰でも1人で気軽に」洋服が買えることが出来るようになりましたが、その弊害も起きています。それは

TPOをわきまえたスタイリングに対する知識不足

これは決して若者だけではなく、大人の方もご存知ない方が多いです。
正装が求められる冠婚葬祭の場・ビジネスの現場などあらゆるシーンでそう感じる方も多いのではないでしょうか。

社会人として最低限のマナーは心得て起きたいもの。販売員は正しい知識を身につける必要がありますし、しっかりと学べる職場です。

それをお伝えして、お客様に恥をかかせないのも仕事です。ただ洋服を販売するだけでなく正しい提案ができる、そんな接客力・提案力が身につきます。

 

コミュニケーション力が身につく

 

 

サービス業全般に言えることかもしれませんが、コミュニケーション能力は圧倒的に高くなります。接客業というのは総じてホスピタリティ精神が求められます。

相手のことを思いやる気持ちや、親身になって話を聞き提案することができる力、細やかなところへの気配りなどはどれもコミュニケーションをとる上で重要な意味をなします。特に相手の情報や意図を汲み取るためのヒアリングの力は重要です。

インターネット時代にそんなものは必要ないと思いますか?決してそんな事はありません。常に人と接する事で自然と身につくその能力は、きっとかけがえのない財産となります。

 

幅広い職種・人種との交流

 

接客業とは年齢・年齢・職種・人種、様々な人との出会いに溢れています。
内勤や決まった場所での仕事は、SNSなどのインターネット上では交流があれど、面と向かって他人と交流する場面は少なくなります。普段の接客の会話の中で得られる情報も自然と幅広いものになり、自分自身のさらなる成長に大いに役立つと思います。

そういった人との出会いが新しい趣味・仕事・コミュニティ・いろんなものを新しいステージに引き上げてくれます。販売職で得た人脈で新しいビジネスを立ち上げたり、次のステップへ進んで行くという話は珍しいことではありません。

いろんな人との出会いを大切にしたい、そんな機会が欲しいという人には魅力的な環境でしょう。

 

買っていく洋服は財産になる

 

photo by Alden Style

 

当然ですがアパレル販売員は服を買うのも1つの仕事です。
残念ながらファストファッションに置いてその商品価値はすぐに無くなってしまう消耗品でしかありません。

しかしセレクトショップなどで扱う商品は伝統のある、一生物も多い。普通に買おうと思ったらなかなか手が出ない高価なものです。そんな靴や洋服、バッグなどを安く手に入れられる事はこの仕事の特権だと言えます。

「10年履いた靴の良さは10年履いた人にしかわからない。」

販売員はただ商品を売るだけではありません。
自分で大事に履くからこそ伝えられる思いがあります。お客様にその商品の良さを伝えるだけでなく、そのブランドの歴史、それを手にしたお客様の今後の人生に価値を与えます。

購入していただいた後にその販売員の魅力やサービスが本当の意味で伝わるのです。

あなたが買う服は今後自分自身のものとしてだけでなく、提案するため・販売員としての信用を得るための確かな財産になります。

 

アパレル販売員のデメリット

 

では販売員としてのデメリットとは何でしょうか。よく言われるネガティブイメージからデメリットを考えてみましょう。

 

立ち仕事であるが故の体力的きつさ

 

言わずもがな販売員は一日中立ち仕事です。
PCなどによるデスクワークは勿論ありますが、基本的には店頭でも裏方作業でも立ちっぱなし。シーズンごとに大量の入荷があり、華やかな店頭の裏では商品整理やストック作業などの力仕事も多いのが現実。

一度店頭に戻ると笑顔でお客様をお出迎えしないといけない。極め付けにお店によっては女性は1日中ヒールを履いて、男性は革靴を履く必要があるかもしれません。
こう考えると、体力的になかなかハードな仕事に思います。

しかしきつくない仕事なんかあるでしょうか。

よく周りを見てみると立ち仕事なんか多いですし、炎天下の中外回りをする仕事だってある。反対に座りっぱなしのデスクワークなんて慢性的な腰痛や肩こりなどとの戦い。自分の好きな時に立って歩いて、疲れたら座って・・・なんて都合のいい仕事なんかほとんどありません。

電車やバスの運転手さんが疲れたからといって好き勝手に休まれたら世の中のダイヤは荒れ狂うでしょう。(例えてすみません)

世の中の大半が体力的にきつい仕事なのは当たり前。
体力を・時間を・知識を・技術を。何かしらの対価を払いそれに対する報酬を受け取る。一日の仕事が終わったら「あー疲れた」っていうのはどの仕事も同じです。世の中等価交換

体力的にきついからという部分はあまり気にしすぎないほうがいいのでは?と思います。
勿論、病気や怪我など何かしらの理由で長時間立っている事が辛い、できないという方にはお勧めできる仕事では仕事ではありませんのでその点においては検討されるといいでしょう。

 

アパレル販売員はお給料が少ない?

 

これは多くの方が抱いているイメージだと思います。

この問題に関してはいくつか理由があり、大手アパレルメーカーでもフランチャイズだと給与はガラッと変わったりします。つまり同じブランドでも大元が直営なのかそうじゃないのかっていう部分で差が出てしまうんですね。

またアパレルの入り口である販売員は、敷居が低い反面、未経験だと正社員スタートというところが少ない点も理由に挙げられます。

ただし正社員になってしまえば一般サラリーマンと給与は変わりませんし、実は周囲が思っている以上に賃金が安いわけではありません。お給料が少ないと思われる最大の理由は洋服を買うからでしょう。これは次の項目で説明します。

アパレル業界はステップアップの方法・年収を上げるための手段がいくつもあります。それによってお給料もしっかり上がっていきますので、賃金が低いというのは世間的なイメージの先行が強いと言えますね。

 

服を買わないといけない

 

これは上の項で少し触れましたが、アパレル販売員は制服支給でなければ服を買う必要があります。
シーズンごとに新作は出ますし、トレンドも変わります。この業界に身を置く以上洋服を買うことは当然のことで、逆にその服を着てない人に進められても全く説得力がありません。

僕はベンツに乗ったことがない人にとやかく言われるよりも、ベンツに乗ったことがある人が言うことの方を信用します。

また、前提としてアパレル業界で働きたいという人はファッションや服が好きということが根本にあると思います。ですので、洋服にお金を使うということはそこまで大きなデメリットではないようにも思います。
しかし人よりも洋服にお金をかけるというのは間違いなく事実です。

 

土日祝日が休めない・平日休みが基本

 

サービス業全般に当てはまることですが、会社員や公務員などと違いカレンダー通りの休みとは異なります。基本的に盆正月などみんなが休むイベントシーズンがこの仕事最大の稼ぎ時。ですので結婚していたり子供がいる人には最大のデメリットと言えます。

しかし、いい面もあって休みの日に遊びに行くとほとんどの場所が空いてます。
普通に週末に遊びに行くと並ばないといけないものもスムーズに案内を受けることができますし、人混みに紛れて疲弊することも少ない。平日休みだと役所や病院も簡単に都合がつきますよ。

僕の場合は子供がいますので週末休みが必要な時がありますが、そういう場合は積極的に希望休を取るようにしています。週末の休みに関しては働く会社やお店の体質にもよるところが大きいでしょう。

 

アパレル企業に入社する前に|ファッションが好きと服が好きは違う

 

「ファッションが好き」と「服が好き」は似てるようで違います。
それはこの業界で働く上でも大きく関わってくる問題です。入社後に理想と違うと感じてしまう前に、一度この違いを考えてみましょう。

 

ファッション・おしゃれが好きな人は挫けやすい

 

アパレル入社の第一の動機として多いのが「おしゃれが好き・ファッションが好き」といった理由です。

もちろん入口はそこですし、その気持ちはすごく大事。でもただおしゃれが好きなのであれば正直なところ「ぶっちゃけどんな職種でも構わない」と言う結論に達します。

おしゃれが好きな人はトレンドにも敏感ですしアンテナもはっている。その情報収集能力は本当に素晴らしいですしアパレル業界ではとても大事。
でも単純におしゃれがしたいだけなら他の仕事でもできるわけです。アパレル関係者以外にもおしゃれな人なんかたくさんいます。

働く上で洋服を買うことで給料が減っていると感じたり、接客で辛い思いをしたり、体がキツイと思ったり、土日に友達と遊びたかったり・・・このような問題に直面し、なぜこの仕事を続けているのかわからなくなる。
そうなった時に入社の動機が「おしゃれが好きだから」という理由であった場合、挫けてしまう確率が上がります。

社会人として仕事を続けていく上で大事な、「これが好きだから辛いことを乗り越えられる!」という根拠が「別にこれじゃなくても良くない?」と他のものに置き変えができるなら販売員をする理由が無くなってしまうんじゃないかな?と思います。

もちろんみんながみんなそうではなくて、僕が沢山の人を見てきた中で感じるあくまでも可能性の話です。

 

ファッションだけでなく洋服が好きな人は続きやすい

 

ただ単純におしゃれがしたいだけでなく、そもそも洋服自体が好きな人には絶対に向いていると言えます。おそらく今までに説明したデメリットはほとんどデメリットに感じることがありません。

それは服というモノ自体が好きだから。

絶対に服飾にたずさわる仕事がしたい!という人は販売の仕事でも成績を上げることができるでしょう。好きと嫌いではお客様への説得力が違います。
販売員を入口にいろんな道を見いだすこともできます。
商品開発・バイイング・デザイン・店舗管理・・・いろんな分野でのステップアップが待っています。

そんな洋服自体が好き、という方はぜひアパレル販売員という入り口を利用して見てください。毎日が沢山のワクワクで溢れていると思います。

 

本気でアパレル販売員になりたい方へ

 

長くなりましたがいかがでしょうか。今アパレル販売員に興味がある方、目指している方にはおそらく気になっている内容だったと思います。

どんな仕事にもメリットデメリットは存在しますし楽な仕事なんてありません。ですが少しでも興味があれば受け口も広く、楽しいこと、身につくことも多いのがこの仕事です。

文章だけでは伝わらない、接客業だからこそ感じる喜びや感動をあなたも感じてみませんか?

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