自らの茎の内部がアリの巣になっているという、なかなかトリッキーな性質を持つアリ植物。アリダマとか言われますね。タイやマーレーシアといった国のマングローブなどに着生する植物です。
私は今まで手にしたことがなかったのですが、先日苔玉に仕立てられたミルコメディア・ベッカリーというアリダマをいただきました。着生植物ならばやるしかない!ということで、コルクに仕立てなおすことに。今回は
アリ植物・ミルコメディアとは?
コルク着生手順
着生時のポイント
などについて写真付きで解説していきます。
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目次
アリ植物ミルコメディア・ベッカリーとは?
科名:アカネ科
学名:Myrmecodia beccarii
原産地:タイ・マレーシア・オーストラリア
熱帯雨林のマングローブなどに着生する植物です。
茎の中がアリの巣になっている
ボテッとした塊根部は迷路のように入り組んでおり、中は蟻の巣になっています。アリのフンや死骸などを栄養として取り入れているわけですね。自生地では、着生する植物・アリとともに共存しているわけです。
外見は荒々しいですが優しさにあふれた植物のように感じます。ちなみに国内で販売されているアリ植物の中にアリが入っていることはないので安心してください(笑) 寄り付きやすいということもないそうです。
アリ植物ミルコメディア・ベッカリーのコルク着生手順
本来は根の張りがいいヘゴ板などが好ましいのでしょうけど、自宅にコルクが余っていたので使用しました。写真付きで手順を紹介していきます。
コルクについてはこちらで詳しく解説しています。
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コルク着生に用意するもの
過去にビカクシダ(コウモリラン)の着生を紹介していますが、用意するものは同じです。よく使っている麻紐の代わりに今回はテグスを使用しています。
コルク着生に準備したもの
- 着生用のバージンコルク
- 水苔
- 固定用のテグス
最低限これだけあれば問題ありません。
根に注意しなが苔玉をほどく
アリ植物は園芸店などでは鉢植えで販売されていることの方が多いですが、今回のミルコメディアは苔玉に仕立てられていました。鉢から出すのは用意ですが、苔玉だとしっかりと固定されているため丁寧にほどいていきます。
①
- 紐でしっかりと固められています
②
- 丁寧に切ってほどいていきます
③
- 吊るし用のリングが出てきましたが、丁寧に取り除きます
④
- 新しい根も確認、古い不要な根はこのタイミングでとっておきます
ここまでくればあとは着生していくだけ。ちなみに今回使用した水苔はAA+という高ランクの水苔。まとまりもいいですし、大きなゴミは混ざっていましたが小さなクズはほとんどなく上質でした。
まとまりもよく形が作りやすかったです。極端な価格差はないので余裕がある方はAA+の水苔の利用をオススメします。
アリ植物のコルク着生時の注意点
いよいよコルクにつけていきますが、注意しないといけない点があるとのこと。着生時になるべく上向きにつけると良いそうです。自生地でも上向きに着生していますし、そうすることで成長点が上にしっかりと伸びてくれるそう。
というわけで付けていきます。
①
- 付ける位置をイメージしながら仮置き
②
- コルクにはあらかじめ穴を開けておくと固定しやすいです
③
角度をつけることを意識しながら、横から見ながらちょこちょこと確認して修正。水苔の置き方次第で意外と簡単に上向きに起こす事ができます。
固定作業をしながら撮影が難しくて、ちょっと写真が少なくなってしまいましたが雰囲気は掴んでいただけるかと。駆け足になりましたが、あとは吊るし用に紐を通して完成です。
最後に|アリ植物は自分のスタイルで楽しめる!
初めて手にしたアリ植物ですが、そのルックスもさることながら色々な仕立て方を楽しめる植物で非常に魅力的ですね。
最近流行りのビザールプランツとしても注目を集めていますし、楽しみながら育てる事ができると思います。価格はやや高めですが、ちょっと変わった植物に挑戦して見たい方にはオススメです!
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