植物の実生|最適な時期や方法は?挿し木など他の増やし方との違い

 

植物の実生とは

植物愛好家が好きな植物を収集した後に、やってみたいと思うこと・・・

この植物を増やしたい!

ということで様々な方法で植物を増やすことに挑戦することと思います。挿し木(挿し芽)をしたり、吹いてきた子株(カキ仔)を分けてみたり。

今回取り上げる実生とは、結論から言うと「種から増やす」という行為なのですが、挿し木など他の増やし方とはどう違うのか・・・サクッと説明していこうと思います。

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実生とは植物を種から育てること

 

植物の実生

 

種から新しい個体が生まれる

 

当然ですが、植物は種から産まれます。
植物は花を咲かせ受粉することで結実し、種を作りますね。そうしてできた種から育つことを実生と呼びます
冒頭でも触れましたが、植物は挿し木や子株といった様々な方法で個体を増やすことができるのですが、種から生まれた実生の植物とは性質が異なります。

 

実生とその他の増え方での違い

 

厳密に言うと、実生した植物は全く新しい個体です。
ですが挿し木や子株で増えた植物は元々の親の性質を持ったいわばコピー、親と同一の植物となります。

親から分けられた株は交配などには使えませんので、実生苗と違い価値がグッと下がってしまいます。
その為、実生した植物は園芸店でも価格が高価になりますし、安く売られている小さな株はカキ仔であることが多いです。

当然、カキ仔が価値が低いと言うわけではなく観賞用としては全く問題なく育成することができます。

 

実生苗は何が違う?特徴やメリットは何?

 

交配することができる

 

先に説明した通り、新しい個体として産まれた実生の植物は交配することができます。
他の同一種と掛け合わせたりすることでまた新しい植物を生み出すのですね。こうやって新しい品種が生まれたり、その個体にしかない特徴を持っていたりする為に価値が上がる・・・というわけです。

 

根の張りが違うため丈夫に育ちやすい

 

種から生まれた植物と、他の方法で増えた植物は根の張り方に差が出ます。
絵に描いてみました。

 

実生と挿し木の根の違い

根の違い

実生・・・太くて丈夫な根を中心にひげ根が伸びる。

挿し木・・・切り口から細い根が生えてくる。

 

種子を栄養源に太い根が張る実生の方がより丈夫に育つことは一目瞭然。
効率的に水分や養分を吸収することができます。

反対に、挿し木の苗は根がしっかりと張るまではなかなか安定しません。根の違いによる生育の差は、苗が小さいうちは顕著にあらわれます。

 

種蒔きに最適な時期はいつ頃?保存方法は?

 

種類にもよるが植物が最も育つ生育期が成功しやすい

 

種は収穫後1年以内のほうが発芽率はグッと高まります。手に入れたらなるべく早く撒きたいですが、最も成功しやすい時期はその植物の生育期。

生育が緩慢な時期に蒔くと失敗する可能性が高まるので、その植物が最も育ちやすい季節や気温は把握しておきたいですね。
だいたい、どの植物も春〜秋にかけてが最も最適な場合が多いようです。
気温が高すぎる夏や、逆に低すぎる冬場は避けた方が無難でしょう。

 

 

種の保存方法は?

 

すぐに種を撒かずに保存する場合は、保存方法に注意してください。
乾燥剤などと一緒にパックに保存し、冷蔵庫などの冷暗所で保存することをオススメします。

湿度が高く、保存方法が悪いとカビが生えて一気にダメになってしまいますよ。

 

実生には育苗トレーが便利

 

実生には育苗トレーが便利です。
細かく部屋が分かれているので、それぞれに種をセットすることができます。

他の種と区別するためにもぜひ使ってみてください。
部屋ごとに肥料を与えたり用土を変えたりして変化をみるのも実験用としてオススメ。

 

まとめ|実生に挑戦して植物をイチから育ててみよう

 

植物を種から育てる実生。
お気に入りの植物から種が採れたらぜひ挑戦してみてください。初めから育てると愛着もわきますし、ちょっとした変化がたまらなく嬉しいです。

植物が好きな方はぜひ挑戦してみてください。

-植物図鑑・育成知識

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