ビカクシダ(コウモリラン)は不思議な姿をしたシダ植物で、自生地では樹木に着生して生きています。このビガクシダは整体を利用して、壁掛けにするインテリアプランツとしても人気が高く、コレクターも多い植物。
カフェや美容室などのお洒落なお店やスポットでもたまに見かけることがあります。
今回はこのビカクシダに興味を持ったあなたに基本的な情報をお届け。ぜひお部屋に迎え入れてください。
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目次
ビカクシダ(コウモリラン)とはどんな植物?
ビカクシダ
科名:ウラボシ科
学名:Platycerium
原産地:アジア アフリカ オーストラリア
漢字で書くと「ビカクシダ=糜角羊歯」という風に表記されますが、この植物の容姿が鹿の角に似ていることからこの名前がつけられました。原種は18種類と言われていますが、他の植物同様に交配種もたくさんあるようです。
ビカクシダは2種類の葉を持っており、1つは株元を覆うように広がる「貯水葉」。もう1つは鹿の角のように広がる「胞子葉」となっており、この2つのバランスが魅力的な雰囲気を作ってくれるんです。
ビカクシダの魅力や特徴
ビカクシダの魅力は不思議な姿形だけでなくまだまだあります。
ビカクシダは壁掛けや吊るしでインテリアのように楽しめる
普通、植物を管理するには土に植えてポットや庭で育てますよね?でもこの植物はそれだけではありません。
これは全てビカクシダです。他の植物に着生して生きる性質を利用してこんないろんな方法で育てることができるんです。まさに生きるインテリアですよね。
吊るされたビカクシダを見ると「コウモリラン」と呼ばれることがよくわかります。この姿がコウモリが翼を広げている姿に似ていることからそう呼ばれるようになったみたいです。ちなみに・・・蘭(ラン)の仲間ではありません。ややこしいですが(笑)
ビカクシダを自分好みに仕立てる
今見ていただいたようにちょっと手を加えるだけでいろんな育て方、飾り方ができるます。実際に販売店に行ってみると、着生の方法によって価格も大きく異なって来ます。同じ大きさでも鉢植えのものと板付のものだと、板付の方がぐっと高価になることが多いですね。
そんなにお金をかけられない…そういう方でも色んな育て方に挑戦して欲しい!
そこで是非挑戦してもらいたいのが自分でDIYする事です。無い物は作る!これぞDIY精神ですが、やろうと思えば鉢植えのビカクシダを板付にする事も吊るしにする事も可能です。
こちらの記事ではビカクシダの板付の様子を紹介しています
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是非自分の手でお気に入りのビカクシダをより魅力的に仕立てて見てください。
ビカクシダ(コウモリラン)の育て方
原産地は熱帯地域に自生するため、高温多湿には強いです。
また他の樹木に着生して成長するため、耐陰性には強いですが適度な日光は必要なため、日当たりの良い室内や明るめの日陰などで管理すると良いです。直接日光が当たりすぎると葉焼けを起こす可能性があるため注意してください。風通しが良いことも健康な株にするポイントの一つです。
春〜秋
土や水苔が乾燥したらたっぷり水をあげます。
ポットで管理していると貯水葉の裏に水が行き渡らない場合があるので、鉢の底から吸い上げるように与える方法もあります。水を張った大きめのボウルや器などに浸して吸わせるといいです。
板付の壁掛けにしている場合は板ごと水に浸してあげると効率よく水やりが可能です。
冬
冬は気温が下がるため注意が必要です。10度以下になると枯れてしまったり、死んでしまう可能性があるので、気温が下がりすぎる場合は室内に入れてください!冬場は水やりを抑え乾燥させることで越冬はできるそうですが、可能な限り室内管理をオススメします。
ビカクシダ(コウモリラン)の種類
ビカクシダには先述の通り、18種類の仲間がいます。それぞれに特徴がありどの種も個性的で魅力に溢れています。ここで代表的なものをいくつかご紹介します。
ビフルカツム
まずはこの"ビフルカツム"。
オーストラリアを原産とし、一般的に園芸店などに流通しているのがこの種になります。キャッチーな価格帯で初めての方も手に取りやすく人気があります。環境への適応力も高いため、管理しやすいのも特徴で、子株を出しやすいので繁殖にもチャレンジして見てほしい種です。
リドレイ
"リドレイ"の特徴的な姿でビカクシダの世界に引き込まれた人も少なくないはず。
半球状に広がる貯水葉の全体に広がる特徴的な葉脈。そしてまさに鹿の角を彷彿とさせる胞子葉は力強さを感じます。ビカクシダの中でも特に人気の高い種で価格は非常に高価です。
また、「山採りリドレイ」という現地から直接個体を剥がして来たものと、日本で胞子から育てた栽培品で価格も変わります。山採りリドレイはそのワイルドで力強い姿に人気があり非常に高価ですが、乱獲反対派の方からは好まれないようです。
もちろん栽培品も山採りの個体に比べると柔らかな印象でとても素敵です。日本では育てることが難しい部類とはされていますが、愛好家であれば一度は手にしたいと憧れる品種です。
スパーバム(スペルブム)
胞子葉と葉脈が美しい、「上品、気高い」という意味を持つのがこの"スパーバム"です。
非常に大きく成長しますが、その名の通り上品さがあり、日本の気候にも適応力が高く比較的育てやすいとされる品種です。
四季があり寒暖差の激しい日本では繊細な種は管理が難しい為、「育てやすさ」というのもビカクシダを迎え入れる方には重要な要素ですね。
ワリチー
横に広い胞子葉をもつ、可愛らしい名前の"ワリチー"。
このワリチーは成長期と休眠期がはっきりと別れています。休眠期に管理温度が低すぎるとそのまま永眠してしまう恐れがありますので、冬場の温度管理は気をつけてください。あまり寒い地方やある程度の温度を保てない場所にお住いの方は難しいかもしれません。
マダガスカリエンセ
数あるビカクシダの中でも一際目を引くのがこの"マダガスカリエンセ"の葉脈です。
まるで脳みそのように不気味な姿をしていますがそこに惹かれる愛好家も多いです。日本では生育が難しいとされていますが、国内のマダガスカリエンセ第一人者でajianjijii(アジアンジジイ)氏曰く、常に湿らせておくことがポイントだそうです。
決して乾かしてはいけないためこまめにチェックが必要ですね。
まとめ
今回はビカクシダにスポットを当てて見ました。
ビカクシダは色んな育て方ができる
インテリアとしても美しい
個性的な種類も多く、一年中楽しめる
ちょっと個性的で変わった植物を育てて見たい方にはおすすめしたいビカクシダ。長く成長を楽しめる植物ですので、ぜひあなたのアイデアで自分なりに楽しんで見てください。